親切心の強みとは
VIA性格の強みのひとつである「親切心」は、他者の幸せを願い、行動で示すことができる強みです。自分の時間・資金・能力を使って、困っている人を助ける行動が自然とでき、それによって自分自身も幸せを感じるという特徴があります。
親切心は、親しい人との関係だけでなく、見知らぬ人にも向けられるという点で「愛情」の強みと異なります。他者に対する関心や思いやりの範囲が広く、より社会的な性質を持っているのが親切心の特徴です。
親切心が人生に与える影響
ウェルビーイング全体を高める
親切な行動をとる人は、精神的・身体的にも健康で、幸せを感じやすく、長生きする傾向にあります。親切な行動は、オキシトシンというホルモンの分泌を促し、炎症を抑え、ストレスを軽減することがわかっています。また、他者に好かれやすく、良好な人間関係を築きやすいという利点もあります。
親切心は伝染する
親切な行動を見た人が、それを真似てまた別の人に親切にする。このように、親切心は社会の中で伝染し、良い循環を生み出す力があります。
セルフコンパッション(自分に対する親切)
自分に親切にすることも非常に大切です。完璧を求めすぎず、自分を思いやることで、自己肯定感が高まり、不安や落ち込みを減らし、人生全体の満足度が向上します。
親切と幸せの科学的根拠
たとえば、2歳児を対象にした研究では、自分のお菓子をぬいぐるみにあげた子どもたちは、ただお菓子をもらった時以上に嬉しそうな表情をしていたという結果が出ています。これは、親切な行動自体が幸福感を高めることを示しています。
また、別の研究では、収入が倍になるよりも、落とした財布が近所の人から戻ってきた方が2倍以上幸福度が上がったというデータもあり、親切心の影響の大きさがうかがえます。
親切心の強みを育てるには?
身近な人に親切にする
家族や同僚、友人に対して、話を丁寧に聞いたり、手伝いを申し出たり、感謝の気持ちを伝えることから始めましょう。
見知らぬ人にランダムな親切を
通りすがりの人にドアを開けてあげたり、落とし物を届けたりと、些細な行動でも親切心は育まれます。
自分にも親切にする
自分自身に優しく接する「セルフコンパッション」を意識しましょう。休息を取る、趣味の時間を設けるなど、自分を労る行動も重要です。
親切心が発揮できていないとき
- 忙しさやストレスで余裕がないとき
- 自分が疲れ切っていて、人に優しくするエネルギーが残っていないとき
- 他人よりも自分を優先しすぎてしまうとき
こうした状況では、意識的に親切心を持つことが難しくなることがあります。
親切心を使いすぎているとき
- 親切が押し付けがましくなり、相手を不快にさせてしまうことがあります
- 相手の自立を妨げてしまう可能性があります
- 自分が損をしたり、利用されていると感じてしまうと、親切心がストレスになってしまうことも
親切な行動を取る際には、自分のエネルギー残量や相手の状態にも配慮することが大切です。
バランスを保つために
- 親切は「量」「相手」「タイミング」によって影響が変わります。無理のない範囲で行うことが継続のポイントです。
- 親切心と相性の良い強みを掛け合わせて使うのもおすすめです。
- 社会的知性:相手の気持ちを察して適切に行動する
- 公平さ:自分にも他人にも同じように接する
- 大局観:持続可能な形で親切を行う
親切心のモットーと行動指針
- モットー:見返りを求めずに人の力になり、人の気持ちを理解して適切な行動をする
- 意識:親切の機会に気づくこと、自分にも優しくあること
- 行動:やってみたいと思う親切な行動に挑戦すること
- バランス:与えることと受け取ることの両方を大切にすること
親切心は、ほんの少し意識するだけで自分も他人も幸せにできる、まさに“幸せを広げる強み”です。今日から、小さな親切を生活の中に取り入れてみませんか?
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